■普段の生活は?
標準的な練習期の流れとしては、朝概ね7時に起床して7時半から8時頃に朝食をとります。メニュー的には、すぐに練習ができるようなもの、シリアルとかパンを食べますね。その後、僕はプロとして活動していますので、取材関係やスポンサーとの連絡などいろいろな案件の処理のためにメールをチェックします。お腹がこ慣れるのを待ちつつ返事を出したり、提出文書を作成したりし ています。その後は練習のメニューにもよりますが、9時半から10時ごろに練習に出ますね。で、その日の練習をこなして、一旦帰宅し、昼食後娘と一緒に昼寝をします。起きたら事務仕事があればそれに取り掛かったりして、4時半ごろからジムへ行き、筋トレなどのインドアトレーニングをし、7時半ごろ家族そろって夕飯を食べます。その後も事務仕事があれば片付け、娘と一緒にお風呂に入ります。大体10時半ごろには娘と一緒に就寝しますね。練習の強弱とか取材スケジュールによって内容は変わりますけど、基本的には毎日この繰り返しですね。
■休日(完全オフ)はありますか?
まったく休み、っていうのは基本的にはないです。取材などの予定が入っていて、「練習できない日」がトレーニング休みの日ですね。
■子供の頃の夢
何があったかな?例えば、先生になりたいとか、プラモデルが好きだったからおもちゃ屋さんになりたいとか、「キャプテン翼」の連載が始まった頃にはサッカーがうまくなりたいとか、そんな感じですね。自転車の選手になるなんて、夢にも思わなかった。ただ、自転車に乗るのは好きでしたね。隣町まで乗っていくとか、今考えれば狭い範囲なんですけど、子供心にはそこまで行くのは「大冒険」でした からね。その当時、九州に住んでいたんですよ。太宰府天満宮まで自転車で行ったりして。結構な冒険だったんですけど、大人になって九州へレースに出かけたときに、当時住んでいた家まで行ってみたんです。そうしたら太宰府天満宮がすごく近くて。(笑)でも、そんな「大冒険」ができたのは子供の頃のいい思い出ですよね。
■MTBをはじめたきっかけ
大学生の頃、モトクロスのアメリカの選手が二輪レース会場で移動手段としてマウンテンバイクに乗っていたりということで、僕にとっては「アメリカのカルチャー」として感じていたんです。「競技」っていうよりは。見ていて、タイヤもフレームも太いし、マウンテンバイクってカッコイイな、乗ってみたいなって思っていて。アイテムとしての魅力があって1台目を買ったんですね。就職してしばらくして、2台目を買おうかなってときに、今はどんなマウンテンバイクが出ているのか、リサーチのために本屋さんで雑誌を見ていたんです。そのときにレースがあるっていう記事が出ていて。高校生の頃はサッカーをしていたので体力的にも自信があったし、オートバイなどの二輪にも乗っていた経験があったから自転車も同じ「二輪車」なのでテクニック的にもレースに参加しても大丈夫だろうって思ってたんですよ。それどころか、値段の高い、高性能の自転車を買っちゃって、レースで優勝するつもりでいたんです。それがいざレースに出てみると、女子選手よりも遅くって。こんなはずじゃ・・・って情けないやら悔しいやらで。それから本気で競技をはじめましたね。
■MTBの難しいところって何だと思いますか?
コースが一定の条件下にないこと。コーナーがあったり登ったり下ったり、晴れのコンディションと雨のコンディションでまた違った条件になったり、すごく変化するんです。変化する要素に自分が対応していかなければならないところが今でも難しいと感じますね。
■MTBの楽しいところは?
以前、サラリーマンをしていた頃は営業職だったんです。人と接する仕事だったので、大自然の中を走ると癒されましたね。それに加えて、登れなかった坂を登れるようになったりとか越えられない段差を克服できたりとか。練習すれば、できなかったことができるようになるんですよ。その達成感が得られることが魅力ですね。
■八幡浜の印象
熱意とか「前向き」なエネルギーを強く感じますよね。まずマウンテンバイクコースを作った人たちの熱意、それを受け入れた地元の人たち。よりよいコンディションを選手に与えようという熱意を感じますね。僕たちもその気持ちがうれしいし、その熱意に負けないように走らなきゃなって思いますよね。
■八幡浜コースで応援に適していると思うポイントがあったら教えてください。
コースレイアウトが巧みなので、ちょっと歩いて場所を変えると、選手が1周回ってくる間に何度か見られたりするんですけど、なるべく一箇所に留まらずに移動していろんなところを見て応援して欲しいですね。
■好きなコースっていうのはどんなコースですか?
八幡浜のコースは楽しくていいですね。コースにはマウンテンバイクっていうものを楽しめるシチュエーションっていうのが必要だと思うんです。例えばコーナーリングだと自転車が気持ちよく曲がれる最低限度のキツさ、自転車が登れる最低限度の斜度とか。そういったものがふんだんに含まれているコース。それがあるコースっていうのは、作り手側の熱意とか、マウンテンバイクや山そのものに対しての愛情の表れですよね。そんなコースは日本には数少ないですよ。
■今後の目標、大会への意気込み
すごくがんばってるし、勝ちたいし。でもそれは特別なことじゃなくて当たり前のことなんですよね。寝るのも、食事するのも、トレーニングするのも、オリンピックを目指すのも、「今日が終われば明日になる」のと同じ意識レベルのことなんです。だから当たり前なんですね。少なくとも、オリンピック出場を目指してがんばっている人がいっぱいいて、その中で「竹谷だったら日本の代表として恥ずかしくないよな」って思ってもらえるような「走り」をしたいと思っています。蹴落として勝ちたいとかじゃなくて、みんなの代表としてふさわしい人がオリンピックには出るべきだと思いますし、例え自分が負けたとしても、そういった人が代表になれば僕も納得できますね。逆に言えば、そうでない選手には負けたくないですよね。だから日本の代表として胸を張ってアテネへ行けるように、自分を高めていきたいですね。オリンピックに行くのも大事だけど、行ったところで何ができるのか、アテネでどう走れるのかってことを見据えて、1枚しかないアテネ行きの切符の重みを感じて、最大限の力が発揮できるようにすること。それが今の僕の「当たり前」に、やるべきことですね。
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